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小野順貴 研究室

小野順貴 教授

小野順貴 教授

マイクロホンアレイ/音源分離/音シーン認識/時間周波数解析/音響信号処理

音は多彩な情報を含んだ重要なメディアであり、私たちは日常的に音声でコミュニケーションし、音楽を楽しみ、音によって周囲の様々な状況を知覚しています。小野研究室では、こうした人間のような、もしくは人間を超える高度な音情報処理の実現を目指し、音声、音楽など、音を対象とした信号処理と情報処理の研究を行っています。例えば、以下のような研究に取り組んでいます。


高速ブラインド音源分離

実環境では様々な音が混ざって聞こえてきますが、例えば音声認識は、雑音や複数の声が混ざっているとうまく動作しません。こうした混ざった音を事前情報なしに個々の音に分解する技術をブラインド音源分離と呼びます。従来技術は計算コストが大きい問題がありましたが、小野研究室は2011年に補助関数型独立ベクトル分析 (AuxIVA)という世界最速のアルゴリズムを考案し、さらに iPhoneアプリとして実装してその高速性を実証しました。

近年は、補聴器応用を目指し、低遅延リアルタイム化のためのアルゴリズム開発やシステム実装にも取り組んでいます。

iPhone上で動作する高速ブラインド音源分離

非同期分散マイクロホンアレー

複数のマイクロホンを用いて音の空間的な情報を取得し、処理するシステムをマイクロホンアレーと呼びます。マイクロホンアレーでは、複数マイク信号間の微小な時間差(例えば、0.1ms程度)が、音源定位や音源分離の重要な手がかりになっているため、複数マイクが同期録音することが必要不可欠でした。一方、我々の身の周りには、録音機能をもつ機器(PC, スマートフォンなど)が多数存在します。こうした同期していない録音機器でアレー信号処理を行うための新しい信号処理技術を研究しています。例えば、会議の参加者が各自のスマートフォンで会議を録音し、会議後にクラウドにアップすれば、自動的に信号が同期され、音源分離、音声認識されて議事録がメールで送られてくる、といった応用を目指しています。

音光変換とビデオカメラに基づく音響センシング

音の強度に応じてLEDを光らせるセンサノードとカメラを組み合わせ、カメラを超多チャンネル音響デバイスとして用いる新たな音響センシングの研究を始めています。音のスペクトル情報は得られませんが、代わりに空間的に広範囲な情報を一括して取得することができ、防犯カメラ、監視カメラなどを活用できるため、音による環境認識、異常検知などに幅広く応用できると考えています。すでにバッテリー付きで単体動作する安価で小型デバイスを開発しています。

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