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横山昌平 研究室

横山昌平 准教授

横山昌平 准教授

SNS映えの科学/ジオソーシャル測量技術/ビッグデータ可視化/地理情報処理アルゴリズム

SNSへの投稿は、美味しいスイーツや家族のライフイベント自慢のように、雑誌等の既存媒体と比べ、極めて影響範囲の狭い個人的な情報です。で も、SNSをビックデータと捉えると、それは私達の社会(現実世界)で起きた事象が「SNS映え」というユーザの主観によって"盛られた"鏡の社会(仮 想世界)と言えます。本研究室はこの仮想世界に対する測地・測量技術として、様々なビッグデータ分析・可視化手法を研究しています。


「インスタ映え」とは何か。人はなぜ自分のプライベートをSNSで共有するのでしょうか。SNSには私達が日々行っている様々な社会活動が投影されています。「美味しいチョコレートパフェを見つけた事をSNSで自慢する」事はやがて「SNSで自慢できるような美味しいチョコレートパフェを探し歩く」事に変容していき、さらには「SNSで自慢できるような見た目」を製品や情景、あるいはユーザ自身に付加価値として与えるようになってきています。このようなSNSに投影された「人々の行動」を観測する事は、単に美味しいスイーツを探す以上に、社会の有り様を明らかにする事ができます。

では、どのようにSNS上で共有されているデータを分析すれば良いでしょうか。インターネット時代の到来とともに、地球の反対側の人たちとも、気軽にコミュニケーションがとれる時代となりました。例えば日本のお笑い芸人のペンとパイナップルとアップルに関する歌は瞬く間に世界中を席捲しました。この現象は、インターネットにより、私達の世界は小さくなり、「どこに居るか」という事の重要性が消え去ろうとしているかに見えました。しかしながら、「インスタ映え」時代になり、再び「場所」の概念がとても重要である事に気づきます。

結局のところ、私達が、今から30分で食べに行けるスイーツは、私達の今居る場所から、そう遠くはないカフェでしか食べられないのです。

SNS上のビッグデータを分析するには、情報の地理的な遍在性と偏在性に着目する事が重要となります。もしかしたらパンケーキに関する投稿は全世界に遍く存在(遍在)しているかもしれません。でもみたらし団子に関する投稿は、日本に偏って存在(偏在)しているはずです。このような情報の偏りを分析・可視化する事により、そこから私達の住む社会の有り様を明らかにする事に取り組んでいます。

この図は左から、ビール、ワイン、ウィスキーの写真がよく撮られている場所を可視化したものです。ここから例えばビールはアイルランド、ワインはボルドー、ウィスキーはスコットランドに偏在性が認められます。これは私達のそれぞれの飲み物に対するイメージとも一致するのではないでしょうか。

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